2007年09月17日

複雑な思い

昨日テレビで、がんの社会認識を高めるためのイベントの様子を
放送していました。

そのイベント自体はがんに対する社会の見方を変えていこうという、
立派な主旨で開催されていました。
元々は海外で始まったイベントのようです。
しかし何だか素直な目で見ることができませんでした。

取り上げられていた患者さんの日常生活が少し紹介されていました。
例えば奥さんが肺がんで仕事を休まれてる家庭。
毎朝ご主人が特製野菜ジュースを作ってあげる風景。
しかし、作るのはジューサーではなくミキサー。
しかも牛乳がベースのようです。
食卓にはパンとサラダ。
これについて、あくまで私が勉強した知識の範囲でのコメントすると・・・
まずミキサーでは野菜の繊維を一緒に摂ることになり、量が摂れない、
しかも繊維質は野菜が持つビタミン、ミネラル、酵素などのファイトケミカルの
吸収を妨げると言われています。
だからがん患者が摂る野菜ジュースは、低速回転のジューサーで作る
必要があります。
うちでは毎朝リンゴ1個、にんじん5,6本でジュースを作っています。
繊維も一緒に摂っていたらこれだけの分量のファイトケミカルなど絶対に
摂れません。
牛乳については最早触れるまでもありません。
パンについても、恐らく精白した小麦粉で作られたパンのようでした。
穀類やその粉、塩、砂糖などいずれも精製したものは栄養をそぎ落とし、
カロリーだけを残したもので、食養生では厳禁です。
摂取カロリーの割に栄養が少ない、栄養が偏るという結果に陥ります。
生のサラダはいいと思いますが、牛乳で作った野菜ジュースで冷えると
思うので、温めるものが必要だと思います。

この方はこのイベントで生きる勇気をもらったそうで、職場に復帰しました。
しかし残念ながらこの春にお亡くなりになったそうです。
ガン患研でもしばしば指摘されるのですが、生き甲斐だからといってまだ
完全に治っていないうちからがんの原因となった職場に復帰し、再発や命を
落とされる方が多いそうです。
この奥さんももっと多くの情報に触れていれば、と思うと、残念でなりません。

また、大腸がんで子宮への転移もあり、余命1年半と言われた患者の方も
取り上げられていました。
この方は医者からもう治療方法がないからホスピスの予約を勧められたそうです。
ここでも医者の不勉強、傲慢さが感じられます。
「西洋医学、少なくとも自分には治す手段がないから、代替医療も勉強
してみてはいかがですか?」と言って欲しい。
結果的にこの方は緩和病棟に入院され、お亡くなりになったそうです。

このイベントを日本でも、と奔走された方もがん患者だそうですが、
やっぱりピルケース一杯の抗がん剤を服用されていました。

さらには家族を亡くされた遺族の方が参加者によく冷えたジュースを
配っていました。
これもコメントすると、炎天下に歩くイベントだったとは言え、患者に冷たい
飲み物は厳禁です。
そしてお茶ではなくスポーツドリンクで、甘味料がたくさん入っているものです。
砂糖でなくても人工甘味料という不自然な化学物質でしょう。

このイベントには複数の大手製薬会社が協賛していました。
私の偏見でもありますが、むしろ製薬会社が嫌うイベントにして
欲しかったと思います。
そして何より、社会の意識を変えると言いながら、参加者が十分に
意識を変えられていないのが、本当にくやしく思えました。
もちろん心の持ち方が一番大きいのですが、食養生もしっかりしないと
闘うだけの体が出来ません。

ガン患研代表の川竹氏が書いていましたが、あるがんの患者会主催で、
日本では未承認の抗がん剤を承認させようという集会があったそうです。
その悲壮感漂うイベントのお陰か、その薬は承認されたようですが、
個人的にはそんなもののために悲壮な努力をする前に、もっとできることが
あるでしょうと思います。

私はこの放送でむしろさらにがんが悲壮なものだと世間に印象づけた
と思います。
そしてやっぱり健気に闘い、亡くなっていく無常感を強調しているように
思えました。
健康な人も少しは身近なものと感じたと思いますが、潜在意識には
この無常感が刷り込まれた効果が強いと思います。

一人一人がそれぞれ純粋な思いで努力して結実させたイベントが、
実は多くの、場合によっては根本的な間違いを含んでいると感じたとき、
虚しさと哀しさを覚えます。

こういうイベントもいいですが、私も今月末参加するガン患研のイベントを
取材、放映して欲しいと思います。
製薬会社は絶対に協賛しない、本当に患者のためだけの底抜けに
明るいイベントですから。

なお、一方で知人の奥様が乳がんで予防的措置で抗がん剤を服用していた
そうですが、それを止める決心をしたそうです。
もちろん私が薬を止めろとか言える知識も権利もないですが、そのご夫婦を
全力で応援したいと思っています。

ここでの食養生についてのコメントは、私が読み調べ、経験した範囲で
考え、感じたものですので、絶対的なものではありません。
また、イベントそのものや出演者を批判する気持ちは全くありません。


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Posted by うふどぅ at 15:21│Comments(0)健康
 
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